TokunagaTsukasa | 徳永司

ふるさと感の話

両親が転勤族だったとある友人が「出身は?と聞かれると困る。生まれたまちなのか、一番長く暮らしたまちなのか、愛着があるまちなのか。どれを答えればいいのか分からない。」と言っていたことを思い出した。出身・故郷・地元と言った言葉は案外曖昧である。 僕自身は、小さい頃はずっと同じ場所で暮らしていたのであまり迷わない。しかし、仙台と答えることも、東北と答えることもあるし、異国の地の人には日本と答えることもある。

大学で歴史を学んでいるが、自分の故郷にはあまり感心がなく特に気にもしていなかった。きっと、自分の中に地元だから知っているという驕りがあったのだと思う。これは、多くの人が持っている感覚なのではないだろうか。そんな僕だったが、自分の故郷について意識する機会があった。

実家に帰った折、冷蔵庫に地区のお祭りのチラシが貼ってあった。それを見て、ふとこのお祭りはいつからやっているのだろうか?と思ってしまった。冷蔵庫から取り出した麦茶を飲みながら、Googleで検索した。便利な世の中だ。 調べてみると、地区が編纂した歴史書がある事がわかった。地区の人が、集落と今と昔について考察した内容が纏めてあるようだった。興味を惹かれ、図書館に出向き、その日のうちに郷土誌と一緒に借りてきた。

読んでみると、当たり前だが歴史がある。小さい時に何気なく通っていた道沿いにあった石碑の意味が書いてあったり、地名の由来が書いてあったりする。こういうことを知ると、地元に対して途端に今まで全く抱いていなかった興味が湧いてくる。不思議だ。

犬の散歩のついでにまちを久しぶりに歩いてみたいと思う。たぶん、今までとは全く違う世界が見えると思う。

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