TokunagaTsukasa | 徳永司

別々にラッピングされたスライスチーズ

心臓はなぜ動き続けるのだろうか、なぜ何も考えずに歩くことができるのだろうか。そういう、普段考えない小さな疑問を一度考えだすと同じような疑問がとめどなく溢れてくる。そして、同じ漢字を書き続けたかのような感覚が襲う。

生き続けていると、まるで自分がロボットになったような感覚になる。毎日同じことを考え、毎日同じ時間に同じ場所にいる。考えることも忘れ、ただ目の前のものをこなしていく。週末に小さな疑問を抱くが、月曜日が近づくにつれて何を考えていたのかさえ忘れていく。

僕が、道路を歩いていると、反対側の道路に女性が歩いていた。僕が好意を寄せる女性だった。僕が、声を発しそれが空気を振動させようとしたとき、後ろからジャージ姿の男性が現れた。僕は、急いで空気の振動を止めようとした。そして、あぁそうかと、自分を慰めた。

それまで世界というものはひとつしかなくて、物事は頑張りさえすれば全部理解できるものだと思っていた。しかし、そのパラレルワールドのようなモノを見てとんだ思い違いをしていたことに気づいた。たしかに、世界はひとつだが、世界は多くのレイヤーが重なって出来ている。そして、そのレイヤーは水平に重なっているのではなく、まるで蜘蛛の巣のように細い糸が幾分にも重なりあってできている。僕がアクセスできる世界はそれほど多くないようだ。

毎日をロボットのようにこなしていく中で、他人との接点を見つけながら暮らしている。ロボットはどこに向かい、他人はどこに向かっているのだろうか。そして、ロボットと他人はどこに向かうのだろうか。

*タイトルの出典

僕らは別にカップルじゃ、二人とも一人で、別々にラッピングされたスライスチーズみたいに・・・・友達です。 レナード S1 EP4— ビッグバン★セオリー セリフBot (@tbbtbot) 2012年12月30日

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